くさいけど何遍も嗅いで－におい展

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もう終わってしもてるけど（すまぬ）、大阪のロフトへ「におい展」を見に(嗅ぎに？)行ってきた。週末には行列ができるほどの人気やったらしいが、行った日はすいていた。内部は撮影OK。「におい」だけに、どんどん撮って拡散してほしいとのこと。

まずは「エエ香り」から。香水の原料になる花や木、そこから抽出した香りをポットに入れて陳列してある。そのポットの蓋を開けて鼻を近づけるシステムだ。ミイラの腐敗止めに使うた香料や、毎月の誕生香なども展示してあった。

動物性の香りはこってりしてるん違うかなと思うたけど、抹香はかすかな芳香。麝香鹿と海狸香は、得も言われぬええにおいがした。知ってる花でも名前を見んことには判らんかったが、においだけですぐ判ったんは、肉桂と金木犀。どっちも大好きやからね。ウンコのにおいは、ごくごく薄めると梔子の花の香りになる。梔子は判ったけど、ウンコのにおいが良すぎて判らん。毎朝嗅いでる、あのにおいとは全然違うたのだ。化学的に合成して創ってあるのやろうし、どうしてもええにおいのほうへふってる。これ、本物やったらわかるのに←たぶんロフトの施設的にあかんやろなww

こういうコーナーもあった。むさ苦しさを演出してあるが、においはさほどでもない。パンツに鼻をくっつけて嗅いでみたけど、全く臭くない。会期の終盤に行ったさかい、だいぶ拡散して消えてたんかも。もしこれがリアルなら、おそらく部屋干し洗濯物の蒸れたようなにおいがするやろう。で、一番臭いのは帽子やろなぁ。

ええ香りがメインやけど、臭いもんもある。私ら、こっちが目当てで行ってるのやけど。さぁ、チャレンジするぞ！　臭いもんはそれぞれブースが独立していて、さらにアクリルの箱で覆ってある。お客さんは上に空いた穴のカバーをめくって嗅ぐ仕組みだ。まずはレベル１（１～５まであり、最も軽い）のくさやから。これ、どうちゅうことあらへん。普通に発酵した魚のにおい。むしろ食欲をそそる感じ。

中級者向け？のドリアン。臭いもんはどれも２つずつ置いてある。くさやは皮側と腹側があったけど、腹側のほうが強く臭った。ドリアンはあんまり開いてないのと、よう開いたの。当然、よう開いてるほうが臭う。私はシンガポールへ行った時に食べたけど、その時はまだ若い実やったらしく、臭さの質が違うた。よく言われる「ウンコとヨーグルトを混ぜたにおい」ではなく、牛乳を拭いた雑巾を百回くらい切ったまな板でねぎを刻んだような感じ。臭さと刺激臭が混じったようなにおいやったのだ。一緒に行った式部様は、「もったいながりの私が唯一、においだけで食べるのを放棄した因縁の食べ物」へリベンジするべく嗅いではったけど、現地のほうがもっと強烈やったそう。そやんなー。

レベル４の臭豆腐。これ、台湾の屋台で売ってたなぁ。その店の周辺は、もわ～～～～～んとえぐいにおいが充満してた。が、台湾の臭豆腐はこんなに凶暴な緑灰色ではなく、見た目は普通の豆腐のちょっと崩れかけたの。それを揚げて、漬物みたいなもんをかけて供してはった。なのでこれは、中国のタイプやね。見るからに「食べたらあかん」色をしている。私的にはこれの臭いが一番激臭。いんでる臭い、「喰うな！」と脅してる臭い。

そして今回の目玉、大トリはシュールストレミング！　プシーッと缶を空けて噴き出す汁に悶絶してはるのをTVで見るけど、どんだけ臭いねん。ブースに近づく前から「ぎゃー」「これはあかん」とか言う悲鳴が聞こえてたので、期待が高まる。さぁて・・・・・・へ？拍子抜けした。これくらいのにおいなら、夏の漁港でようあるやん。やっぱり会期の終盤やったので、だいぶ揮発してたのかも。全然平気やった。

大阪会場限定、大阪のおっちゃんとおばちゃんのにおい。これ、ノネナール全開かとわくわくしてんけど、どっちもちょっとキツい安物香水のにおい。むしろ好もしいにおいやった。会場には加齢臭いうのもあったが、どちらも合成してはるのやろね。全く気になるにおいではなかった。

私が最も「く、くさいっ」と思うたチャンピオンは、こちら。おっさんの脂っこい足を彷彿とさせる、スネ毛の絵が泣かせる。これもおそらく合成やと思うが、めちゃくちゃリアルな「一日革靴を履いた脂足のにおい」やった。あれこれ、「これは臭いやろな」と思いながら拍子抜けしてきたんで、この本格的な足のにおいには感激！　とはいえ他のにおいがあまりにもお子ちゃまやったので、こういう催しはまだにおいが新鮮なうち、早めに来んとあかんなぁと思うた次第。面白かったけどね。