哲学の道~銀閣寺の趣ある歴史

1完成

2完成

京都の春、まもなくいたるところで花見の観光客で賑わいます。
桜の名所である哲学の道、今年も満開の桜で訪れた人々を魅了することでしょう。

その前にちょっと この辺りの歴史を知っておく事でまた違った心持で
京都の春をより一層楽しんでいただけると思います。

哲学の道は、琵琶湖からの水が通る水路に沿って作られた歩道です。
若王子神社と銀閣寺を結ぶこの道には桜並木が植えられていて、
春には満開の桜の下を歩くことができます。

また、本格的な夏の前には天然のゲンジボタルが飛び交う姿を見ることもでき、
さらに秋には紅葉を眺めながら、冬には降り積もった雪を踏みしめて、
四季折々の散策を楽しめます。

3完成

この歩道が哲学の道と呼ばれているのは、西田幾多郎をはじめとした
哲学者が思索にふけり、ここを歩いたためです。
明治時代に使われていた「文人の道」、それ以降の「哲学の小径」「思索の道」といった候補もありましたが、昭和47年にこの「哲学の道」という名前が正式なものとして選ばれました。

哲学というと難しく聞こえますが、ちょっとした考え事にふけりたい時は誰にでもあるもの。そんな時に歩いてみたい、美しい小道です。

疎水の流れを見ながら歩いていると周辺にはオシャレなカフェが何軒か見かけます。
美味しいコーヒーでもいただき贅沢な時間をお過ごしください。

5完成

SAGAN(再願) 営業時間 7:00~17:00  TEL 075-751-7968
(基本 火曜日が定休日ですがシーズン中は営業)

さて、いっぷくしたら またこの哲学の道を北へ歩いて行くと、
やがて銀閣寺にたどり着きます。

銀閣寺というのは通称で、正式な名称は「東山慈照寺(とうざん・じしょうじ)」
一般に銀閣と呼ばれる建物は、その観音殿です。

4完成

これは金閣寺も同様で、こちらは「北山鹿苑寺(ほくざん・ろくおんじ)」、その舎利殿が金閣と呼ばれているわけです。

金色に輝く金閣に対し、銀閣は銀色に輝いて……はいません。
銀色でないのに、なぜ銀閣と呼ばれるようになったかについてはさまざまな説がありますが、近年の研究により「当初は銀箔が貼られていたが、すべてはがれ落ちてしまった」という説は否定されました。

銀閣寺を作らせたのは室町幕府第8代将軍の足利義政ですが、わび・さびを愛した彼の性格からも金閣寺のような派手な造りを目指したとは考えにくく、
現在は「後世の人々が金閣寺との対比としてそう呼んだ」、あるいは
「庭の池に反射した光によって外壁が銀色に見えた」といった、銀箔とは無関係な説が有力と見られています。

金閣のようなわかりやすい派手さはありませんが、足利義政の美意識の集大成とも言える
銀閣には独特の趣があります。

義政は政治に関わることを望まれず、遠ざけられ、建築などの趣味に没頭しました。
そうして彼が善阿弥や狩野正信、音阿弥といった、優秀な庭師や絵師・能楽者などを支援したことで、後に「東山文化」と呼ばれる文化が花開いたのです。

一方、当時の幕府にとっては、それはただ将軍の趣味のための浪費でしかなく、
安定していたはずの足利幕府の財政はここから悪化し、やがて深刻な財政難を迎えることに
なりました。

そんな歴史的背景を思いながら銀閣を見上げると、これまでとは違う何かが感じられるかもしれません。

アクセス 市バスで「銀閣寺道」バス停から徒歩3分

スポンサーリンク



  • このエントリーをはてなブックマークに追加